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井川 直樹; 石井 慶信; 長崎 正雅; 森井 幸生; 舩橋 達; 大野 英雄
Journal of the American Ceramic Society, 76(10), p.2673 - 2676, 1993/10
被引用回数:49 パーセンタイル:93.3(Materials Science, Ceramics)酸化ジルコニウム(ジルコニア)は常圧で3種類の結晶構造をとる。室温では単斜晶が安定であり高温の正方晶をquenchして安定化させることはできない。従って、一般にYO等を数mol%dopeして正方晶を安定化している(正方晶安定化ジルコニア)。一方、本報ではアルコキシド法によってdopantを含まない正方晶ジルコニアを調製できた(準安定正方晶ジルコニア)。この試料について、JRR-3Mに備え付けた高分解能粉末回折装置(HRPD)で中性子回折像を測定、Rietveld解析して結晶構造を求めた。準安定正方晶ジルコニアの格子定数はa=0.3591nm、C=0.5169nmで軸比はC/√2a=1.018であった。正方晶安定化ジルコニアと比較して、本試料はC軸方向に伸びた結晶構造であることが明らかになった。本試料中の酸素イオンは正方晶安定化ジルコニアの場合と同様に格子siteからC軸方向に変位していることが分かった。その変化量は/C=0.046であった。